失敗の実例から学ぶ

 少し前に、滋賀県中小企業診断士協会のものづくり研究部会にて、「失敗の実例から学ぶ」と題し、私が約14年間携わったディスプレイ分野での経験について発表しました。一般に、成功の具体的事例は多数報告されていますが、失敗についてはあまり報告されることはなく、報告されたとしても表面的に見える内容で議論され、要因を深掘りされることはあまり無いように思います。失敗というものも深く検証され、その本質を掴むことが出来れば、役に立つ面もあると考え、自分の人生の整理の意味も含めてまとめました。
 報告した内容の詳細はここでは述べませんが、結論として、以下を挙げました。
<失敗から学んだこと>
1.最後まで現場を見て取り組んでいく意志のある人が最初から経営を組み立てていくべきだと思う。
2.投資は不可欠だが、投資だけでは成功できない
人を集めてても育てなければ、それは投資に過ぎず、人を育てずに経営は成り立たない
3.人が取り組むこととして、技術(工夫・知恵)経営管理顧客(商品)モチベーションが重要と考える。
<中小企業に活かす観点>
1.成功している中小企業は創業者のリーダーシップが強いケースが多い。現場も理解し、意思決定が早い。しかしながら、世代を経るに従い、その傾向が弱まる。現場の情報(様々な職能の詳細情報)を整理し、意思決定できる根拠をまとめることが重要と考える。
2.中小企業は財務に苦しみ、それに振り回されることも多いが、並行して、出来るだけ早い時期に人の教育を開始しなければならないと考える。育った人は、一緒に財務のことも考えてくれる。
3.補助金で最新の設備を購入することが技術では無い。そこに工夫や知恵を入れて差別化しなければならない。それが出来るモチベーションを継続して構築していかなければならない。

 書き出すと、そこでまた考え、整理されていくように思います。成功や強みを活かすと共に、失敗も糧として認識しながら、今後も前向きに進んでいきたいと思います。